自然エネルギー利用で日だまりの暖かさ、木陰の涼しさを
自然を楽しむ、パッシブデザインを楽しむ
地球温暖化が深刻になってきて住宅が排出するCO2も大きな問題です。住宅の省エネ化は大事な課題です。しかしエコハウスだからと、神経質に何から何までエコと考える必要はありません。エコハウスは省エネであるだけでなく、自然エネルギーを活用することで自然に親しみ、光や風を感じて自然を楽しむ、快適で健康的な生活を可能にします。私たちはさまざまな技術に関心を持って取り組んでおり、地中熱利用のパッシブデザインで非常に低いランニングコストでありながら家中温度差が無く、快適、健康な住宅を実現しています。太陽光発電を設置すればゼロエネルギー(ZEH)も可能、また耐震性は最高レベルの等級3が標準の高性能住宅です。そして使う材料は自然素材を中心に、床には無垢のフローリング、壁は珪藻土塗りが定番です。
エコハウスは健康、快適で経済的
エコハウスと言うと、大げさな機械装置があってイニシャルコストが大変と思われるかもしれません。あるいは郊外の広々とした敷地でないと成立しないと思われるかもしれません。でもSUR都市建築事務所が提案する地中熱利用のエコハウスは一見したところ普通の住宅とほとんど変わらず、また様々な敷地条件に対応可能です。下の図のように建築的なちょっとした工夫の積み重ねなので、大幅に建築費がアップする事もなく自然の恵みを最大限に生かし、四季を通じて健康で快適な住環境を、経済的につくることができます。また、快適な温度環境は脳卒中などのリスクを減らすだけでなく体への負担が少なく健康な生活が送れます。そしてランニングコストは驚くほど低いですから、新築時のコストアップは簡単に回収出来、長い年月住むほどさらに経済的です。
*エコハウスのランニングコスト:一般的な性能の住宅の1/2の光熱費で、全館を常に快適な状態に保つことが出来ます。
SUR都市建築事務所のパッシブデザイン
エコハウスのポイントはなんと言っても太陽とどう付き合うかです。冬場は太陽熱を室内に出来るだけとり入れて蓄熱床等にためます。敷地の条件などで太陽光の直射によるダイレクトゲインが十分にとれない場合は、ソーラーウォール*などで補う方法もあります。また夏の暑さ対策として、十分な出を持った庇での日射遮蔽や屋根面に設置する熱反射シートが有効です。日陰を作るグリーンカーテンやシンボルツリーの木陰など適材適所の植栽も効果的です。取り入れた太陽熱を最大限生かすには、熱をたっぷりためておける高い蓄熱性能と、貯めた熱を逃がさない高気密高断熱が必須です。高い蓄熱性能は、地中熱を利用し地中に蓄熱する事で可能になります。冬場だけでなく夏場は蓄冷し、24時間四季を通じて安定した室内気候をつくり出します。中間期のための通風確保や、熱負荷を減らすために大きすぎる窓を避け、必要に応じて断熱雨戸や断熱シャッターも利用するなど、きめ細かく総合的に計画しています。
*ソーラーウォール:シンプルな太陽熱集熱パネルで、日当たりの良い壁に取付け温風を取り入れます。
2 南に正対するプランによる効率的な日射取得
3 将来南面空地が十分取れなくなった場合の吹抜からの日射取得
4 開放的なプラン、吹抜による室内環境の平準化
5 適正寸法の軒、庇による日照制御(冬の光は取り入れ、夏の日射は遮断する)
6 遮熱構造の屋根による、夏期の屋根面熱射防御(遮熱シートおよび通気層)
8 Low-Eガラス(エコガラス)による日射の制御
9 植栽の効果的な配置による日射制御と緑陰効果
10 地中熱利用による低ランニングコストの空調
11 地中蓄熱による温度変化の少ない温熱環境
12 給気の工夫による熱負荷の少ない24時間換気
13 必要に応じて補助装置の利用(太陽光発電、ソーラーウォールなど)
地中熱利用ということ
パッシブデザインといえば第一に太陽熱が頭に浮かびますが、もう一つ大事な役目を果たすのが地中熱です。地表の温度は四季の変化に連動して夏熱く、冬は冷たくなります。しかし段々深くなると地表の影響が少なくなり、5メートルほどの深さになると1年中ほぼ一定で、その温度はその場所の年平均気温と同じになります。むしろ夏冬逆転して冬のほうが少し暖かいぐらいです。最近の東京の年平均気温はおよそ16.5度ですから、夏にはとてもに涼しいですし、冬もちょっとだけ補助すればすぐに適温まで上げる事が出来る温度です。この温度を反映しているのが、井戸水の温度ですが都会ではそれを実感する機会も少なくなりました。地中熱利用というのは、この地中5メートルの安定した温度を住宅の室内に取り込もうという事です。
エコハウスの設備・ヒートポンプが有効
エコハウスは出来るだけ自然エネルギーを有効に使うパッシブデザインが基本ですが、太陽光発電などでエネルギーを創らない限り、エネルギー使用がゼロになるわけではないので、様々な設備機器も出来るだけ効率の良い方式を選ぶ必要があります。住宅の設備でエネルギー使用量が多いのは冷暖房と給湯ですので、この2つに何を使うかが重要です。幸いこの2つにはどちらも「ヒートポンプ」という技術を使った機器があります。冷暖房の場合は「エアコン」給湯は「エコキュート」です。ヒートポンプという仕組みは電気をそのまま熱にするわけではなく空気中に潜在している熱を電気の力を使って汲み取る仕組みで、最新の高効率の物の場合使う電気の3〜5倍ほどの熱を発生することが出来ます。エアコンの風を嫌う方は多いですが、パッシブデザインで高気密高断熱の住宅ではエアコンはゆるゆると働くだけですし、SUR都市建築事務所の採用する床下設置のエアコンなら風もなく足元から暖めることが出来、床暖房のような快適さです。
エコハウスの断熱気密仕様
いろいろな省エネの工夫はもちろん大事ですが、エコハウスはなんといってもしっかりした断熱と気密が基本です。SURでは、太陽光発電さえ載せればそのままZEH(ゼロエネハウス)が可能な高い性能を確保しています。断熱グレードとしてはZEH基準を上回るHEAT20のG2レベルを標準とし、そのために断熱は充填断熱+付加断熱の「ハイブリッド断熱」、窓も単にLow-e複層ガラス以上のアルミ樹脂複合の「高性能ハイブリッドサッシ」が標準で、さらに大きな窓の場合はシャッターや断熱ブラインドで強化します。気密性能もC値1を下回ります。このような高い基本性能の上に様々なパッシブデザインの工夫を積み重ねて、快適で省エネの住宅が実現します。
出来ることから少しずつ
エコハウスは出来ることを少しずつ積み重ねることによって大きな効果が生まれます。一般的な住宅が消費するエネルギーの1/2で全館を常に快適な温熱環境に保つことが出来ます。一つ一つの技術は大したことがないように感じるかもしれませんが、1つのことによって節約出来るエネルギーがわずか5%だとしても、それが10集まれば消費するエネルギーは半分になります。パッシブデザインのエコハウスはこのような考え方で出来ることを地道に1つずつ積み重ねています。そこに住む方も同じように「出来ることから少しずつ」を心掛けていただければ、きっと素晴らしい未来が開けることでしょう。