ウッドショックと建築工事費

ウッドショック?

このところ急にウッドショックという言葉がこの業界を駆け巡っています。
オイルショックとかリーマンショックなどと同じような話で、
輸入木材の品薄、価格の急騰という問題です。流通の問題もあり、木材だけでなく他の資材の値上がりも懸念されます。
建築費は半年前と比較して10%程度アップしているように思われます。
工事会社は苦しい資金繰りを強いられます。

今まで日本で使われる木材は、その60%以上を輸入に頼ってきました。
その輸入木材が様々な理由により価格が高騰し日本に入ってこなくなっています。
以前から警告を発する人はいましたが、ここまで急に事態が悪化することを
予想した人は少ないでしょう。

ウッドショックの原因

理由はいろいろあるようですが、直接的にはアメリカ、中国の好景気による
住宅需要の急激な伸びで、日本に輸入材が回ってこないこと、
またコロナによる輸送力の弱体化による流通量の減少、
また環境問題による森林資源確保の重要性の高まりで各国の輸出量減少など
複合的な原因があるようで、簡単に元に戻るような話ではないようです。
この夏までに木材の価格は1.5倍以上になるという話もあります。
しかし、それだけの金額を払ってもスムーズにものが入ってこないようで、
そうなると建築工事は軒並み遅れてしまいます。

国産材を見直すチャンス

これは森林大国であるはずの日本で木材を輸入に頼るという歪んだ状況の
ツケが回ってきたということでもあります。
現在山には豊富な木材資源があるにもかかわらず、その採算性の問題から
林業に関わる人材不足で、その資源が有効に利用できない状況が続いてきました。

しかしこの機会に木材の国産材へのシフトがいよいよ必要になってきました。
すぐにはなかなか難しいですが、本来あるべき地産地消、
無駄な輸送コストをかけず合理的な流通で国産材を生かす方向が
これから始まると良いと思います。苦しい状況ですが、これをチャンスと捉え国産木材利用が進むと良いと思います。

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