エコハウスの省エネ・家電の選び方
エコハウスと省エネを考えると、自然エネルギー利用や高気密高断熱によっていかに冷暖房費を減らすかというところに注意が向きがちですが、実は家庭で使うエネルギーの内で家電品の消費エネルギーは30%程度、省エネ型のエコハウスの場合は冷暖房費が小さいので50%ほどにもなります。省エネを考える場合建物の性能を上げて冷暖房費を減らすことはもちろん重要ですが、実は家電品の省エネを考えることも同じぐらい重要です。
家電品に付いている「省エネラベル」をチェック
家電品の中で電気の消費量が多いものは、冷蔵庫、洗濯機乾燥機、テレビ、食洗機などです。また見落としがちですが温水洗浄便座も無視できません。これらに限らず省エネ性能を手っ取り早くチェックするには、「省エネラベル」を見ると良いです。
省エネラベルは、目標値に対して何パーセント省エネを達成しているかが表示されていますので分かりやすい指標です。ただし、すべてに省エネラベルが付いているとも限りませんので、カタログで年間消費電力の数字もしっかりチェックしましょう。このコラムでは、代表的な家電製品について省エネチェックしていきます。
冷蔵庫:大きい方がかえって省エネ
なかでも冷蔵庫は省エネ性能がどんどん改善されており、消費電力は10年前のものと比較して1/4程度になっています。大型の物だと年間の電気代が1万円以上安くなりますから、古い物は買い換えた方が経済的です。
また普通に考えると大型のものほど電気を使いそうに思いますが、実は必ずしもそうとは限らず、意外なことにむしろ大型の方が消費電力が少ない場合が多いのです。小さい物は普及品という位置づけのため断熱気密性能が劣り、省エネ化も遅れていてかえって電気を消費する物が多いですから、年間の電気使用量などのカタログデータをよく見ましょう。
テレビ:ほぼ大きさなりに電気を使います
テレビは、以前のブラウン管の時代から考えれば、液晶になったことでかなり省エネになりました。省エネのポイントとしては当然のことながら画面が大きいほど、ほぼ大きさに比例して電気を食います。
また最近一般的になってきた4Kテレビは、画素数が4倍あるのでほぼ4倍の電気を消費します。なお最近はほとんど見られなくなりましたが、一見液晶と同じようなプラズマテレビも4倍ほど電気を使いますので、その点では断然液晶が優れています。結局テレビの場合、省エネのポイントとしては「不要な時にはまめに消す」こと。これしかありませんね。
洗濯乾燥機:乾燥機能はヒートポンプ式が断然省エネ
洗濯にはどれもたいして電気は使いませんが、洗濯乾燥機の場合、乾燥については方式により電気代に大きな差が出ます。
縦型よりドラム式が省エネですし、ドラム式でも乾燥がヒーター方式とヒートポンプ方式では3倍ほどの開きがあります。したがって乾燥まで使うことが多い場合は多少高くてもヒートポンプのドラム式が圧倒的に省エネ性能が高くお得です。毎日一回運転する場合、年間の電気代で1万円ほどの差が出ます。しかしエコの観点からは一番の節電はなるべく天日に干すということですね(笑)
温水洗浄便座:結構電気を食っています
温水洗浄便座は、それほど電気を使うイメージがありませんが、実はテレビと同じ程度の電気を使っています。
温水を作るのに電気を使うからです。
温水洗浄便座には、洗うお湯を溜めておく貯湯式と、使う瞬間に湧かす瞬間式がありますが、電気の使用量は瞬間式が約半分で省エネです。お湯を溜めておくと冷めてしまう分が無駄になるのです。電気の使用量で年間100kwh程度の差が出ます。また忘れがちなのは暖房便座からの放熱です。蓋をこまめに閉めることも放熱を防ぎ、かなり節電になります。
食洗機:かなり省エネです。必ずしも贅沢品ではありません
食洗機は贅沢品と思われる方も多いと思います。なるべく手洗いで済まそうと思いがちですが実はそうではありません。省エネの観点からは食洗機が断然優れています。
電気の使用量という意味では、手洗いはゼロですから当然食洗機の方が多いのですが、水の使用量は1/10程度です。さらに手洗いの場合はお湯を使いますからお湯を沸かすエネルギーが必要です。したがって水道代やお湯を沸かす燃料代を含めたトータルの光熱費で比較すると、食洗機は手洗いの半分以下になります。省エネかつ家事の手間が省けるのですから、共働きなど忙しい家庭では食洗機は必需品とも言えると思います。
省エネ性では、ドイツやスウェーデンなどのヨーロッパ製が優れています。国産の倍以上の容量がありながら、1回あたり国産と同程度の水しか使いませんし、乾燥がヒーター式ではなく余熱乾燥だからです。洗浄も強力です。ただし余熱乾燥なので少し水滴が残りますが問題になるほどではありません。最近は乾燥機能を強化したタイプもあります。ヨーロッパ製の60センチ幅の食洗機は高価ではありますが、一日分の食器を溜めておき深夜に運転すると一番省エネで経済的です。
まとめ
電化製品を買う時は、できるだけ省エネ性能の優れたものを揃えることは大事ですが、忘れてはいけないのが使い方です。省エネ家電も無駄に使わない工夫が何よりも大切であることには変わりがありません。また最近の家電品は、「省エネモード」がついていることが多いですからできるだけ使いましょう。省エネ家電も、基本は「使い方が大事」ということですね。